耐えた先に… :: CL決勝2012 ::
値千金の同点ゴールを決めたドログバ「チェルシーのスピリットを見せた」
久しぶりに勝敗の行方の見えにくい対戦となった今回のCL決勝とはいえ、ドルトムントにやられっ放しのバイエルンvsビラスボアス(余談ですが、ビラスボアスを「AVB」って略すのが通説になりつつあるらしいのですが、私にとって「AVB」は「Armin Van Buuren」なので紛らわしい)の独りよがりに振り回され、FAを獲ったとはいえ、六位に終わったチェルシーの対戦は、どことなく盛り上がりに欠ける決勝戦でした。多くのサッカーファンは、CL準決がクラシコを挟まなければと思ったことでしょう。
準決で全てを出し切らざるを得ず(テリーは除く)、多くの出場停止者を出した両チームサッカーのクオリティは、どうしてもレアル、バルサに比べると低く、特にホームアドバンテージもあったバイエルンのシュート精度の低さには少しガッカリでした。(ドイツが今度のEUROの優勝候補と目されていますが、多くのドイツ代表を抱えるバイエルンを見る限り、勝ちきれない試合が続きそうな感じです。)
ただ、サッカーの見どころは、クオリティだけではありません。ドログバがチェルシーで苦労に苦労を重ね、我慢に我慢を重ねてきたことが報われた瞬間は、本当に感動的でした。
チェルシーは、アブラモビッチに買収され、モウリーニョを呼び寄せ、ドログバ、ダフ、ロッベン、マケレレを補強し、黄金時代を築こうと進んでいました。が、国内は制してもCLであとちょっとで勝てない状況が2年連続で続いたあたりから、雲行きが一気に怪しくなりました。最初は静観していたものの、早くCL優勝が欲しいアブラモビッチは、この辺から現場介入し始め、チームコンセプトに合わない、バラック、シェフチェンコを勝手に取ってきて、モウリーニョと対立してクビにし、グラント体制で何とかCL決勝に進んだものの、戦術抜きのフィジカルコンタクトだけでマンUを叩き潰そうとしたら、サッカーの女神に嫌われ(としか言いようのないテリーのPKミスでした)、それからは、金持ちクラブにありがちのフロントのゴタゴタに巻き込まれ、CLの表舞台に立つことは無くなってしまいました。
それまでに「金持っているのに勝てない」という誹謗中傷は数知れずドログバは受けてきたでしょう。後半ロスタイム間際に、最初のコーナーキックで自身最初のヘディングシュートを、あれだけキッチリ綺麗に決められる選手は、これまでそれに耐えに耐えてきたドログバだけでしょう。「持っている男」ミュラーのラッキーバウンドヘディングも流石でしたが、ドログバのヘディングは、格や凄みが違ってましたね。涙が出そうになりました。
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ドログバは。今年でチェルシーとの契約が切れるとのこと。プレイヤーとしてもそうですが、この尋常でないメンタルの強さは全ての選手の手本になるはずです。ワガママ、チェルシーからは切られてしまうかもしれませんが、中国やアラブに行かず、大きなクラブに行って、後継者の手本となってプレイヤー人生を全うしてもらいたいものです。
万が一、イグアインがレアルから出ていくようなことがあれば、ドログバのレアルを見てみたいものですが…。


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