「巨人を倒す」というカタルシス :: 巨人内紛 ::
この問題にどちらに非があるかはともかく、更なる野球人気の低下に繋がる出来事になるでしょう。
ナベツネに対して老害と揶揄する声が昔から絶えませんが、野球をエンターテイメントの側面から見れば、あそこまで分かりやすい悪役いることは、本来はプラスに繋がるはずなんですよね。強大な悪役をゲームという戦いの場で倒す、というカタルシスこそ、スポーツエンターテイメントの醍醐味だからです。
海外サッカーに目を向けると、その趣は顕著です。スペインではレアルが馬鹿みたいにお金を使って補強を毎年行うことで周りから批判を浴びたり、イタリアではこの前辞めてしまいましたが首相がサッカーチームを持っていたり(ACミラン)、ドイツではバイエルンが毎年、前年強かったチームから良い選手を引き抜いたりと、伝統のある国は、もうこれでもか、という位、分かりやすい悪役っぷりを演じてくれるチームがあります。これらのチームは、憎らしいほど強く、他のチームの強大な壁となって立ちふさがり、分かりやすい対立構造を生み出す柱となってくれるわけです。
で、日本の野球に、もう一度目を向けると、近年の巨人は強大な壁となるべきにも関わらず、余りに脆いんですよね。ストッパーが弱いのは今に始まったことではなく、また、ここを弱点としておくと、相手チームに「もしかしたら倒せるかも」という期待を抱かせられるため、エンターテイメント性から見れば良いことなんですが、守備のミスが多いっていうのが良くないですね。最後の大ボスにスキがあっては白けてしまいます。
話を本題に戻しますと、今回の内紛のキッカケは、清武代表としては留任を決めていたあるコーチをナベツネの鶴の一声で解任しようとした、というものに対してだそうです。
確かに、一般的な観点からいえば、会長職の人間が現場に口出しすることは、好ましいことでは無いのかもしれません。ただ、「巨人たるもの憎らしいほど強くあり、他球団の脅威になるべし」が、日本のプロ野球の柱となっている以上、イマイチだった今年の結果でコーチを留任させる、ということが正しいかどうか?、という点に関しては微妙で、外野から口出しされてもおかしくない判断です。
また
なんて、話もあります。清武代表は会長の経営陣への介入はコンプライアンス違反、と訴えた訳ですが、現場と現経営陣が対立していて、会長が現場側に味方について対応を行ったのであれば、コンプライアンスと別の見方をした場合、どちらが正しいのかも、難しいところです。
語弊を承知で書くと、今の巨人のように、大企業でも死に体寸前の業種の場合、些細なコンプライアンスを守ることよりも、会社の利益を追求すべきだと考えています。特に巨人は、他の球団とは違い、球界全体を支えなければなりません。今年、セリーグを優勝したのにも関わらず、落合監督が解任された訳ですが、その原因も巨人が弱いことと無関係では無いと考えています。中日の前に巨人が立ちふさがれば、中日にとって、勝つことが正義になり、勝利自体が価値を生むんですが、立ちふさがる相手がいないと、勝つ+αを求められてしまうわけですが、落合監督はそれが出来る監督ではないですからね。「巨人の強さ」っていうのは、他の球団の人事すら左右するわけで、それを考えたら、会長職が、このような仕組みを理解出来ていない経営陣を無視して勝手に判断を下すこと位、些細なことではないでしょうか?
芸能界では、暴力団排除の動きが出てきたりなど、最近のエンターテイメント企業は、クリーンさを全面に出そうとしていますが、残念ながら、人間が好むものって、下ネタだったり、人の悪口だったり、クリーンとはかけ離れたところだったりします。ナベツネは、その辺を分かった上で様々な発言を行っているようにも見え、まだまだプロ野球には欠かせない人材でしょう。
昔は、ナベツネの悪口なんて、サラリーマン同士のコミニュケーションツールだったと思うんですけど、最近では、本気でナベツネを排除しようとする人がいて、で、そういう人が球界にいたりするわけです。この前のドラフトで、菅野を日ハムが奪った訳ですが、あれも最悪でした。菅野が巨人に入って活躍すれば、そこでまた分かりやすい物語が生まれて、観客を呼べるはずだったんですが、この機会を失ってしまいました。ドラフトにおける、暗黙の了解がクリーンな訳はないですが、今のプロ野球はクリーンかどうか言っている場合じゃないと思うんですけどね…。


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