サッカー

2014年6月15日 (日)

"自分達のサッカー"の限界 :: W杯 ::

ドログバ投入で流れ一気に変わる…ザック「自分たちのプレーではなかった」

日本はアジア代表で、アジアの予選を勝ち上がりながら、"自分達のサッカー"を作り上げてきました。が、アジアにはW杯予選突破出来るか出来ないかのチームが、2,3ある程度です。一方で、ヨーロッパ、南米には、優勝を狙えるチームが、3,4カ国あり、その中で予選を勝ち上がりながら"自分達のサッカー"を立ち上げてきた国と比べると、どうしてもそれらの国の"自分達のサッカー"とクオリティの差があるのは仕方の無いことです。

それが如実に出てしまったのが、昨年のコンフェデレーションカップだったわけですが、結局、1年間積み上げの無いまま、同じことを繰り返してしまった、というのが、今日の試合でした。

相手も日本の良さを消そうとしている中で、そう簡単に"自分達のサッカー"など出来る訳がありません。前回大会で勝ち進めたのは、全員が、"このままでは自分達は世界で通用しない"という共通認識を持てたことのはずです。今回、どうも選手間の認識がバラバラのように見えます。この空気感はドイツ大会とソックリですが、今後の試合内容もソックリにならないことを祈りたいものです。

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今回のW杯、刺激的な試合が続いています。スペインvsオランダは、やっぱり衝撃でした。昨年のCLでのバルサ、レアルの惨敗、今年、バルサ無冠、レアルCL取るもカシージャスぼろぼろ、とスペイン凋落の予兆はあったとは言え、それが全部出てしまうとは...。CL決勝でのセルヒオ・ラモスの、かつてのプジョルを彷彿とさせる魂のヘディングを見て、まだ何とかなるかな、と思ってましたが。

そして、オランダは相変わらず派手ですね。ここ数年の大きな国際大会を振り返ってみても、勝ち負けに関わらず記憶に残る戦いが多いです。

  • '98W杯のアルゼンチン戦ベルカンプの伝説のトラップ
  • '02W杯フィーゴ、ルイコスタのポルトガル、Wキーン(ロイ・キーンは喧嘩して本戦でなかったですが)、ダフのアイルランドに負け、まさかの予選落ち。
  • '04 Euro 全盛期のチェコに0-2から守備的に戦い、まさかの逆転負け。
  • '08 Euro '06W杯王者イタリアを3-0で破る.カンナバロの衰えが明確に。しかし、トーナメントで見事なまでにロシアのアルシャビンの踏み台に。
  • '10W杯 絶対優勝候補のブラジルに大金星。ドゥンガの軍人システムを見事なまでに完全破壊。
  • '12 Euro 直前のCL決勝のまさかの負けを払拭できないロッベンの空気がチームに伝染し、グループリーグ全敗。
  • '14W杯 スペイン撃沈。CL取ったことで、まだツキが残っていると思われたカシージャスにトドメ。
相変わらず、優勝までは難しいとは思いますが、これからも印象のある戦いを期待したいところです。

2013年6月17日 (月)

rotten apple :: コンフェデブラジル戦 ::

「これは本当の日本の姿じゃない」なぜブラジル戦で完敗を喫したのか?

普段、Jリーグを見ている人間からすれば、今の日本代表は、日本の代表とは言いがたい、と感じる方も多いでしょう。出ているJリーガーの遠藤と今野はJ2ですからね。ガンバのJ2落ちは、昨年、西野体制からの変更のゴタゴタに巻き込まれた、という面もあり、同情出来ない訳でもないです。しかし、3年前のFC東京のときと同様、自分たちは落ちるはずが無い、と、自分の置かれた立ち位置を認められないまま落ちていった、どんなに上手くても勝利に執着が無い選手が今年レギュラーなのは腑に落ちない部分があります。また、J2落ちに反省して、奮闘しているならまだ分からなくもないんですが、今、ようやくガンバの調子が上がってきたのは、間違いなく倉田の踏ん張りですし。(もうちょっとガンバに言及すると、本田がガンバユースを追い出されるキッカケとなった家長が大成しないのも、勝利に対する執着心が全くないからでしょう。彼に今の本田並とは言わないまでも、今の柿谷位の勝利へのコダワリが出れば、間違いなく世界クラスなんですけどね…。)

英語にも「rotten apple」という言葉がある様に(もう2,3年したら、この言葉が、TimeやNewsweekの見出しになるんだろうなあ…)、「腐ったみかん」が居るとチームがダメになるのは世界共通認識です。ヨルダン戦にしても、オーストラリア戦にしても、近々の日本代表に、勝つ気が感じられない戦いっぷりは、今、2人が背負っている負のオーラに、チームが飲み込まれてしまっているようにも感じられます。控えにも、今、J1ビリ2の磐田の選手が2人居るのも、ベンチの空気を悪くしている気もします。アジア大会で、出場機会が与えられなかった森脇に対して、ムードメーカーとして重要な役割を果たしたとコメントしたのは、唯のリップサービスだったんでしょうか?

ただ、今回、挙げた4人は、選ばれた側の人間であり、彼らは調子が悪いなりに、やれることをやっただけです。非難されるべきは、選んだ側の人間でしょう。

確かにJリーグ見ていて、遠藤、今野の位置の選手の代わりを見つけるのは、結構、難しいのは間違いないんですけどね…。ただ、前回のW杯直前と同様、腐っている選手が居るチームを応援する気にはなれないので、コンフェデ杯後は、とにかく勝ちのみを目指せるチーム編成で望んでもらいたいところです。

コンフェデは、相手選手の凄いプレーを見て楽しむ大会になりそうです…。

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にしても、ブラジル、どうしてもネイマール等の華麗な攻撃に目がいってしまいがちですが、センターバック、特にチアゴ・シウバの存在感は半端無かったですね。これで、バイエルンのレギュラー、ダンテが控えているというのだから恐ろしい…。ウワサでは、ダビド・ルイスは、モウリーニョの意向で、来年以降、マケレレの位置を任される可能性があるとのこと。ブラジル国民が許してくれなさそうだけど、T・シウバにダンテのCBの前にダビド・ルイスなんてフォーメーション組まれたら、そう簡単に崩せるチームは無いでしょう…。両サイドバックが攻撃大好きっ子なので、日韓W杯のカフー、ロベカルのように、アウベス、マルセロを一個前にして、3バックでもいい気もします。にしても、これが実現すると、お洒落金髪ドレッドのダビド・ルイス、アフロのダンテ、黒髪ドレットのマルセロに坊主のアウベスと、キャラの立ち方が、キャプ翼のキャラを超えそうな勢いですね…。ネイマールも大概だし…。

2013年4月 6日 (土)

神話から伝説へ :: レッズ vs ジュビロ 2013 ::

注目の前田が“デスゴール”決めるも、浦和が逆転で磐田下す

ファーストゴールの遠い興梠がPKを外し、挙げ句、遂に前田に「デスゴール」を喰らい、これで負けるようなことがあれば、ACLの負けと相まって、これまでのいい雰囲気が一気にぶち壊れるような状況でした。

が、後半に森脇のヘッドで追いてムードが高まったものの、次のゴールが決まらない中、ロスタイムに入った瞬間、あるシーンが頭に思い浮かびました。

それが2004年のジュビロ戦の長谷部です。

何となく「良い選手だな」という程度の認識だった長谷部に対して「今後、絶対大物になる」と感じた瞬間でした。

そして今日です。このときの試合と同様、

  • 酷い雨
  • ジュビロ相手のホーム
  • それまでリーグ戦好調だった。
  • そのまま引き分けで終わったら、尾を引きそうなゴールを喰らってしまった。
  • ロスタイム
  • 相手ゴールはホーム側

という、舞台が整った状況、ましてや劇場と呼ばれるNHK BSでの放送でしたから、「再び伝説は生まれるのではないか?」、という期待が高まった瞬間、元気が決めきりました。

まあ、元気は今更語る選手ではありませんが、このゴールを決めきれるということは、今、レッズを背負う覚悟が出来ているということでしょう。自分のプレーに拘るプレーが目立ったこれまでから見ると大きな進歩です。

今後のレッズがいよいよ楽しみです。

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一方で、長谷部は今回のゴールを見て、昔の自分のプレーを思い出して欲しいですね。まともに戦っては叶いそうも無い強大な相手に対して「心を整える」ことは重要ですが、普段の戦いでは、この時のように意思、闘志をむき出しにして戦うことも重要です。今、ヴォルスブルグでイマイチレギュラー定着出来ないのも、戦う意思が見えないからのようにも見えます。この前の日本代表だでも、本田が居なくてゴールへの意思をむき出しにするプレイヤーが居ないのであれば、長谷部が意図的に闘志を出していけば、結果は違ったかもしれませんし。

2013年3月 3日 (日)

天才指揮官が去った後 :: '12 RMD vs FCB::

CL前のクラシコ連戦でレアルに完敗。絶不調のバルサは立ち直れるのか?

今期の前半のバルサは、グアルディオラ去った後の不安を感じさせない勢いで勝ち進んできましたが、ここに来て、いよいよその影響が見え始めました。

しかし、今期の始まりのバルサの布陣を見たときから、この可能性はありました。それは、昨年度から、グアルディオラが、ここぞ以外は、ほとんど採用しようとしなかった2年前の5-0のクラシコの布陣を周到し続けていたためです。

バルサ、モウ・マドリーを一蹴

あの試合のバルサに勝てるチームは世の中に存在しないのではないか?、と思えるくらい完璧なチームでした。

ただ、この布陣、バルサの哲学を完璧に理解している、プジョル、ピケ、ブスケツ、シャビ、イニエスタ、メッシの6人のコンディションが完璧でないと成り立たないという、かなり個人依存度の高い戦術です。6人のうち誰かが抜けただけで成り立たないというチームは、リスクマネージメントとしてはイマイチです。そこで、これに匹敵する布陣を作ろうと、色々、布陣を試していたのが昨年のバルサで、結果、リーグでレアルに独走させてしまったわけです。従って、今年は、昨年の敗退を活かすべく戦わなければならなかったのですが、ビラノバは、夢のチームへ回帰という昨年のグアルディオラの苦悩を完全に無にする戦略をとってしまいました。

確かに最強チームで戦い続けることができれば、勝ち続けられるのは道理ですが、そうは行きません。先ほどの6人のうち、プジョル、シャビがキャリア終盤にかかっているため、尚更です。チアゴにポストシャビを期待したいところなんでしょうが、精神的な甘さからのボールロストが、度々、見受けられ、4-3-3のシャビの位置で使うには、大きなリスクとなってしまっています。

勝てない試合が続き、それを打開する方法から避けてきてしまっただけに、今後のバルサは、かなり厳しいものになりそうです。

天才指揮官が去った後、最初は栄華は続くが将来は危ない、っていうのは、どの業界でも一緒なんでしょう。

グアルディオラは、来年からバイエルンです。グアルディオラは、バルサで無くても天才的手腕を発揮出来るか、期待したいところです。

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一方のレアルですが、今年は、去年のバルサと同じことを挑戦し続けてきました。昨年のレアルの最強布陣は強く、それを続けられたため、リーグで圧勝出来たわけですが、控えとの差が大きく、CLとの共存が上手く行かなかった、という課題が残り、それを打開するため、色々、試していたり、また怪我人が続出したため、バルサに独走を許してしまったわけです。

が、ここに来て、それが実り始めました。ヴァラン、モラタ、カジェホンというカンテラ、準カンテラの若い選手がレギュラークラスまで成長、モドリッチもフィットし始め、チームの層がグッと厚くなりました。また、カシージャスの怪我キッカケもあってか、チームもここに来てどんどんまとまり始めました。クラシコ2連勝で、更に勢いはついていくでしょう。

CLはコレからが本番です。マンチェスターユナイテッドも好きなチームなので、どちらかが負けるのは余り見たくないのですが、今週のCL 2ndレグは非常に楽しみです。

2012年7月 3日 (火)

宴の終わり :: euro2012 その2 ::

スペインが「メジャー3連覇」の偉業。“支配できずとも勝つ”新次元の強さ。

大会を通して、強さを感じなかったスペインでしたが、最後の最後で、止められないときのバルサのような強さを見せつけ、イタリアを圧倒してしまいましたね。

ということで、最後の2チームの振り返りです。

スペイン
デル・ボスケが凄いなあ、と感じることは、過去の成功に全く拘らず、今の選手が所属するクラブチームでの使われ方をそのままチームに持ち込んでいることです。過去の成功に引きずられて、セルヒオ・ラモスを右にしてみたり、セスクを中盤で使ってみたり、ペドロを先発で使ってみたいところですが、それを全く行わないことって、中々出来ることでは無いと思います。言ってしまえば、今のバルサとレアルのいいとこ取りしただけなんですが、こういう揶揄って、中々、人間耐えられるものではないからです。偉業も当然と見られがちですが、デル・ボスケでなければ、どこかで負けていたかもしれませんね。

イタリア
最近のダブルミランのCLでの不甲斐なさや、再びのカルチョスキャンダルで、前評価の低かったイタリアですが、苦しみを耐え抜いてきたユーベの今期の無敗優勝は伊達では無かった、ということを見せてくれました。ベテランの狡猾さは見事でしたが、最後はやはりというか体がついてこれませんでしたね。バロテッリ以外の目を見張る新戦力も見当たらず、これがベテランの見せる最後の光とならないよう祈りたいところですが…。

MVP, ベストイレブン: UEFA、大会最優秀選手にイニエスタを選出
MVPは、カシージャスの方が相応しかったかなと感じます。スペインの最大の窮地はポルトガル戦のシャビ・アロンソがPKを外した瞬間だったわけですが、あのシーン後でも何事も無かったように平然としているカシージャスに、ポルトガルは飲み込まれてしまって負けてしまいましたからね。イニエスタは、初戦のイタリア戦では目立っていたものの、その後は、いつも通り、スーパーな足技は披露するものの最後のフィニッシュの精度を欠く場面が多く、ここを決めていればもっと楽になったのに、ってシーン満載だったため、それほど優勝に貢献したって印象がありませんでした。

優秀選手には、スペイン勢が10人と多いことは当然としても、残りの13人中5名は、レアルの選手であり、計15名がスペイン関連選手という状況は異常です。とにかくスペインが何から何まで圧巻した大会でした。

2012年7月 2日 (月)

決勝を前に :: EURO2012 ::

いよいよEUROも決勝です。ということで、一通り振り返ってみます。

ドイツ死のグループでもユーロ優勝候補。ドイツにまだ“ゲルマン魂”はあるか?
上記のコラムに書いてある懸念が準決勝で露呈してしまいました。南アのときには、いつものドイツと違うことが魅力だったんですが、2年も経つと色あせてしまうから面白いものです。マリオ・ゴメス、ミュラー、クロースあたりに"ゲルマン魂"さえあれば、バイエルンもドイツも、もう少し良い結果が出たんではないか?、と思えるだけに残念でした。

オランダ
ドイツ以上にバイエルンの不甲斐なさをチームに持ち込んでしまったのが、オランダでした。もちろん原因はロッベンです。CL決勝の延長でPKを失敗してイップスとなり、大事なPK戦をキーパーに委ねるようなエースを使っていては勝てる訳ありません。どんなに良いプレーが出来ても、メンタルが弱い選手を使うとこうなる、という典型的な例でした。気になるのは、ベルカンプ、ニステルローイのようにワンタッチで全てを決めるような選手が最近オランダから出てきていないこと。今後が少し不安です。アヤックスで今ベルカンプがコーチをしてるみたいなので(監督はフランク・出ブール。フランスW杯のアルゼンチン戦でのスーパーゴールのホットラインですね)、もう数年したら出てくることが期待できるかもしれませんが、次のW杯は苦戦しそうですね。

フランス
今期のレアルをずっと追ってきたニンゲンとしては、CR7に隠れてしまっているベンゼマの国際舞台での活躍を期待してきたんですが、その舞台を監督に壊されてしまった、って印象です。せっかくイングランド、ウクライナ戦で徐々に作り上げてきた土台をスウェーデン戦で台無しにしてしまい、元に戻ることはありませんでした。スウェーデン戦でエムビラを出したことが全ての失敗でしたね。それまで非常に良いプレーをしていたアルー・ディアラのプライドを傷つけた上、エムビラ自体もメネズ、キャバイエのような2列目のような飛び出しをせず(というか出来ずが正しいですかね)、中盤のそこは俺だ、と言わんばかりのプレーをすれば、そりゃチームは崩壊するでしょう。予選をしっかり見ていないのですが、エムビラは予選でMVP級の仕事をしたらしく、重宝したくなる気持ちも分からないではありませんが、「勝っているチームはいじるな」の鉄則に準じて、本戦ではエムビラを諭すのがブランの仕事だったように思えます。次はデシャンらしいということで、もうワンランク上のレベルで勝負に徹してくれるでしょう。次のW杯でのベンゼマの爆発に期待したいところです。

ポルトガル
今年に入り、好き勝手にプレーしていたCR7がチームを背負うことによる凄みが出てきており、それがアウェークラシコの決勝ゴールなどに繋がってきていたわけですが、さてそれがポルトガルでどうなるんだろう、と半信半疑でみていました。スペイン相手にPK戦で自力の差が出てしまいましたが、CR7と共に試合を積み重ねるごとに良いチームとなっていった様は、見ていて痛快で、今大会、もっとも魅力あるチームでしたね。特に印象的だったのは、少し独りよがりで打ったドリブルシュート後に「手を合わせてゴメン」、とチームメイトにしたシーンでした。スーパースターでありキャプテンである選手が謙虚な姿勢を示すことが、モウチーニョら中盤の足を止めさせなかった要因の一つでしょう。ペペの鉄壁ぶりも凄まじく、この成長を今後も続けてもらいたいものです。

スペイン、イタリアは、決勝後にでも。

2012年5月20日 (日)

耐えた先に… :: CL決勝2012 ::

値千金の同点ゴールを決めたドログバ「チェルシーのスピリットを見せた」

久しぶりに勝敗の行方の見えにくい対戦となった今回のCL決勝とはいえ、ドルトムントにやられっ放しのバイエルンvsビラスボアス(余談ですが、ビラスボアスを「AVB」って略すのが通説になりつつあるらしいのですが、私にとって「AVB」は「Armin Van Buuren」なので紛らわしい)の独りよがりに振り回され、FAを獲ったとはいえ、六位に終わったチェルシーの対戦は、どことなく盛り上がりに欠ける決勝戦でした。多くのサッカーファンは、CL準決がクラシコを挟まなければと思ったことでしょう。

準決で全てを出し切らざるを得ず(テリーは除く)、多くの出場停止者を出した両チームサッカーのクオリティは、どうしてもレアル、バルサに比べると低く、特にホームアドバンテージもあったバイエルンのシュート精度の低さには少しガッカリでした。(ドイツが今度のEUROの優勝候補と目されていますが、多くのドイツ代表を抱えるバイエルンを見る限り、勝ちきれない試合が続きそうな感じです。)

ただ、サッカーの見どころは、クオリティだけではありません。ドログバがチェルシーで苦労に苦労を重ね、我慢に我慢を重ねてきたことが報われた瞬間は、本当に感動的でした。

チェルシーは、アブラモビッチに買収され、モウリーニョを呼び寄せ、ドログバ、ダフ、ロッベン、マケレレを補強し、黄金時代を築こうと進んでいました。が、国内は制してもCLであとちょっとで勝てない状況が2年連続で続いたあたりから、雲行きが一気に怪しくなりました。最初は静観していたものの、早くCL優勝が欲しいアブラモビッチは、この辺から現場介入し始め、チームコンセプトに合わない、バラック、シェフチェンコを勝手に取ってきて、モウリーニョと対立してクビにし、グラント体制で何とかCL決勝に進んだものの、戦術抜きのフィジカルコンタクトだけでマンUを叩き潰そうとしたら、サッカーの女神に嫌われ(としか言いようのないテリーのPKミスでした)、それからは、金持ちクラブにありがちのフロントのゴタゴタに巻き込まれ、CLの表舞台に立つことは無くなってしまいました。

それまでに「金持っているのに勝てない」という誹謗中傷は数知れずドログバは受けてきたでしょう。後半ロスタイム間際に、最初のコーナーキックで自身最初のヘディングシュートを、あれだけキッチリ綺麗に決められる選手は、これまでそれに耐えに耐えてきたドログバだけでしょう。「持っている男」ミュラーのラッキーバウンドヘディングも流石でしたが、ドログバのヘディングは、格や凄みが違ってましたね。涙が出そうになりました。

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ドログバは。今年でチェルシーとの契約が切れるとのこと。プレイヤーとしてもそうですが、この尋常でないメンタルの強さは全ての選手の手本になるはずです。ワガママ、チェルシーからは切られてしまうかもしれませんが、中国やアラブに行かず、大きなクラブに行って、後継者の手本となってプレイヤー人生を全うしてもらいたいものです。

万が一、イグアインがレアルから出ていくようなことがあれば、ドログバのレアルを見てみたいものですが…。

2012年4月22日 (日)

バルサは本気ではなかったのか??? :: クラシコ2012 2nd ::

マドリー、CR7弾でクラシコを制して優勝に王手

モウリーニョがレアルに就任してから2シーズン目、遂にリーグ戦で勝利を収めました。

今回の勝利について、CLとの日程がレアルに比べキツいこと、けが人が多いこともあり、テージョ、チアゴ、アドリアーノなど、クラシコで戦うには経験不足の選手を先発せざるを得なかった状況の問題、余り成功を納めていない3-4-3システムを採用したグアルディオラの采配の問題、など、バルサ側の自滅のような受け止められ方をされています。確かに、シャビ、イニエスタには、ハッキリと疲れが見えましたし、アレクシス・サンチェスが最初からでていれば、もしくは、ビジャが怪我していなければ、結果は変わっていたかもしれません。

ただ、2010の初クラシコで0-5で負けたモウリーニョレアルが、大幅に選手を補強するのではなく、地道に進化してきたことも、今回の勝利の大きな要因だったように見えました。

2009年に加入も、当初は全く使い物にならず、先述した0-5で先発した試合では「イグアインが怪我をしていなければ」と酷評されたベンゼマが世界最高峰のFWに育ち、カカーが今のレアルの戦術上スーパーサブ扱いとは言え、ミラン時代を思わせるプレーを取り戻していることもそうですが、先発のアルベロア、交代で入ったカジェホン、グラネロなど、近年のレアルでは殆ど出番の無かったカンテラ育ちの選手が、クラシコでも戦力として計算出来るようになったことは、特筆すべきことでしょう。

そして、マンU時代から対バルサにおいて独りよがりのプレーに終始したり、縮こまってしまっていたCR7こと、クリスティアーノ・ロナウドが、ほぼ唯一の決定的チャンスをいつも通りの高速かつ正確なプレーで決勝点を決めたことも、本当に大きかったですね。

グアルディオラの計算では、現状のチーム状況を踏まえ、いつものボールまわしでレアルの体力を奪ったあと、アレクシス・サンチェス、セスク、ペドロでかき回して逆転、というシナリオを描いていたんでしょうし、実際、アレクシスが入った瞬間に同点にしました。そのシナリオを全て打ち砕いた決勝点は、クライベイビーの名の通り、何処となく頼り切れなかったエースが、ようやくエースの証明と言えるゴールを決めることができたのではないでしょうか?

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今のバルサの骨格は、シャビ、プジョルですが、二人ともそろそろ年齢的な衰えが垣間見えるときがあり、また、モウリーニョもグアルディオラもいつまで監督を続けるか分からず、いよいよ史上最高のクラシコもクライマックスに近づいています。この戦いがどういう結末を迎えるのか、やっぱり、今年のCLの決勝で、この戦いを見てみたいものです。

2012年3月 5日 (月)

主観と客観 :: ビラス・ボアス解任 ::

チェルシーが“モウリーニョ2世”ビラス・ボアス監督の解任を発表

昨年のシーズンオフ、ポストグアルディオラ、モウリーニョとして、非常に高い評価を誇ったビラス・ボアスが、成績不振を理由に解任されました。

ビラス・ボアスは、ずっとモウリーニョという有能な指導者の片腕として辣腕を振る舞い、そしてポルトでELで大旋風を起こし、その後、チェルシーに移籍、という経歴から、今回の記事のように、「モウリーニョ2世」の名前が付きまとっていました。

しかし、これまでの言動を見ていると、どうもその肩書きを、非常に嫌っているようでした。そして、これを早く払拭したい、というあせりが、少し垣間見え、チェルシー赴任は時期尚早かな、と感じていましたが、やっぱり、という結果となってしまいました。

一昨年から昨年にかけて、ポルトは大旋風を起こしましたが、それはELの話。やっぱりCLで自分の監督としての経験を積むべきだったように感じます。特に、フォルカオが抜けた穴を、どう埋めながら戦い抜くか?、という大きな難題があっただけに尚更です。

今回のビラス・ボアスの挑戦は、ハタから見ていると、かなり無謀な挑戦であることは、多くのサッカーファンからすれば見えていたと思います。チェフ、テリー、ランパード、ドログバという5年以上前のモウリーニョ時代当初からの中心メンバーが未だに欠くことのできない中心メンバーなわけですから。

それが、いざ自分のこととなると、途端に分からなくなってしまうものなんですよね。

ビラス・ボアスの中には、

  • モウリーニョよりワンステップ早く(CL優勝という経験なく)、3大リーグで成功を収める
  • モウリーニョが成し遂げられなかったチェルシーでCL優勝を収める

この2つが叶えば、もう2度とモウリーニョ2世なんて呼ばれないだろう、っていう、算段があったはずです。「モウリーニョ2世」がコンプレックスであったのであれば、この野望をヨコシマと呼ぶには、少し酷な気もします。ただ、結局、この野望が今回の失敗の最大の原因だったように思えます。

どんなに優秀な人物でも、本質とは異なる主観を挟むと、やっぱり失敗してしまう、という良い教訓になりました。

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ビラス・ボアスには、再度奮起してもらいたいですね。どこかビッグクラブに所属してもらって、元Jリーガーのフッキ(ウルク)を世界的なスターに引っ張り上げていってもらうことを期待してます。

2011年5月30日 (月)

deja vu :: CL決勝 ::

欧州CL決勝、美しさと強さの共存。バルサが見せつけた圧倒的な力の差

2年前の決勝と同じカードとなった今年のCL決勝ですが、ほぼ2年前と同じく、マンUが、ほぼなす術無く敗れ去りました。

ここ3,4年のマンUの戦術は、バルサと相性が悪いんですよね。ピンチは、最終ラインのビディッチ、ファーディナンド、そしてGKのファンデルサールで防ぐ、というやり方だけでは、大抵の相手では通用しても、圧倒的な中盤支配能力を持つバルサの圧力に耐えられない、ってことが露呈したのが、2年前の決勝だったのですが(その前年のチェルシー戦でも、PK戦だから勝ったようなものの、中盤支配されっぱなしで内容はボロボロでしたが)、それでも、中盤に汗かき役を設けて、バイタルでピンチの目を紡ぐ戦術を採用はしてこなかったですからね。

ルーニーアンカーなんて作戦とれば、もしかしたら、面白いことになったかもしれませんが、ウエンブリーでの決勝で、マンUのプライドが、それを許す訳ないですし。

このバルサ止められるのは、結局、モウリーニョだけなんでしょうかね。モウリーニョの元右腕が率い、元ベルディのフッキ擁するELを制したFCポルトが、バルサ相手にどのような戦い方をするのか、少し楽しみではありますが…。

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